「LOUIS VUITTON」より新作『IMAGINATION』が魅せるレイヤリングの妙
梅雨らしくなってきましたね。
雨の日って、何度も纏っている香りがいつもと違う香り方をしてくれるので嫌いになれません。
こんにちは、Luiです。
さて、本日5/27発売「LOUIS VUITTON」の新作フレグランス、『IMAGINATION』をさっそく試してまいりました。
美しく透き通ったブルー…
先に謝罪いたします。かなり個人的なことからお話しさせてください。
今回は事前予約での購入だったため、使用されている香料について情報を得ていました。
その中に…いたんです、私が数ある香料の中でもっとも苦手とする
アンバーグリス!!!!
私の肌は、アニマリックな香料を強調する傾向があるため、もしかして私って獣だったのかな?と思ってしまうような香水に出会うことが年に数回ほどあります。
アニマリック系といえば、シベットやカストリウム等、様々な種類がありますが、中でももっとも苦手としていたのがアンバーグリスだったのです。
冗談ではなく本当にマッコウクジラの匂いになるため、纏ったその瞬間から人間をやめることになります。なお、マッコウクジラを至近距離で嗅いだことはないです。
そんなアンバーグリスが使用された、今回の新作は…LVフレグランスを愛する私でも、正直購入をためらう部分がありました。
しかし、私と同じくアニマリックな香料で動物に変身してしまう方、どうかご安心ください。
この香りは、あのジャック・キャヴァリエが5年もの歳月をかけて”アンバーグリスの使い方”を研究した末に生まれた傑作なのです。
まず、公開されている香料は以下となります。
===========================
ブラックティー
アンバーグリス
シトロン
オレンジ
ジンジャー
シナモン
===========================
フレグランスエキスパートの方曰く、上記以外にメンズラインで初めてジャスミンが使用されているとのこと。
ジャック・キャヴァリエとブラックティー…既視感がありますね。
そう、すでにこの組み合わせは、「BVLGARI」のオ パフメシリーズ『Eau Parfumee au The Noir』で使用されているのです。こちらはウッディかつダマスクローズのフローラルの側面が強いため、『IMAGINATION』とはまったく異なったお茶でした。
今回ジャック・キャヴァリエが淹れたお茶は…
潮風の吹く海沿いで、つかの間の余暇を楽しむ大人の紅茶でした。
トップから香る柑橘は、湿度の低いカラリとした夏を感じさせます。この海辺には、浮足立ったナンパなど場違いです。香り全体をキュッと引き締めるジンジャーが肉体的にも精神的にも成熟した大人のバカンスを感じさせます。ジンジャーに寄り添うかすかなシナモンが柑橘一辺倒にならない、文字通りスパイスになっているのです。
柑橘やスパイスによって目の前に広がる海辺。そして、それをゆったりと眺めながら飲む紅茶のまろやかさ…時間が経つにつれ、ほのかな茶葉の苦みを感じます…なんと美しい夏の思い出なのでしょう。
さて、紅茶を飲み干したら、おかわりが欲しくなりますね。
ここからは、フレグランスエキスパートの方がオススメしてくださったレイヤリングをご紹介します。『IMAGINATION』は、他のラインナップと組み合わせることで、フレーバーティーを作り上げてしまうのです。
①『ROSE DES VENTS』×『IMAGINATION』
=ローズティー
こんなに贅沢なセンティフォリアローズの紅茶、あっていいんでしょうか。爽やかさと華やかさを兼ね備えた、リッチな風味の紅茶です。
②『ROSE DES VENTS』×『ON THE BEACH』×『IMAGINATION』
『ON THE BEACH』の酸味が、夏に元気を与えてくれるノンシュガーなローズヒップティーを彷彿とさせます。真夏でも熱い紅茶が飲みたい時に。
③『CONTRE MOI』×『IMAGINATION』
『CONTRE MOI』によって、かの有名な紅茶『マルコポーロ』のバニラのような甘い香りが再現されます。柑橘がふんだんに使われたフルーティーな『IMAGINATION』との相性は抜群です。
そして、フレグランスエキスパートの方曰く、『IMAGINATION』は全ラインナップと組み合わせ可能という万能な香りだそう。まだまだこれからもレイヤリングを楽しめそうです。
さて、発売日当日にもかかわらず、興奮のあまりここまで執筆してしまいました。
最後にひとつだけ。
もしかしたら、これまでのLVフレグランスを想像して試しに行くと、正直なところ「香り立ちが弱い…?」もしくは「パンチがないかも…」と思われる方もいるかも知れません。
しかし、『IMAGINATION』は一度レイヤリングを試していただきたいのです。この香りの真価は、他のラインナップと組み合わせることによって発揮されます。フレグランスエキスパートの方がおっしゃった「万能」の意味、それは”他のラインナップの良さを最大限に引き出すこと”だと思うのです。
そう、ジャック・キャヴァリエの意図した通り、我々はこの夏「想像力」を掻き立てられることでしょう。
P.S.
これがよかった!というレイヤリング、ぜひぜひ教えてくださいませ…!
「LOUIS VUITTON」ウィメンズフレグランスレビュー②
ヴィトンのフレグランスを香っている時は、なぜか鼻が疲れません。
レビューのためにどれだけ試しても、疲労を感じない、そして飽きない…
それがLOUIS VUITTONクオリティなんですね。
こんにちは、Luiです。
さて、前回に続いて、「LOUIS VUITTON」のウィメンズフレグランスのレビューをお送りいたします。
⑦ROSE DES VENTS(ローズデヴァン)
艶やかで厳かに香るローズ…見渡す限り、大胆なピンクに色づいたバラが、花の女王たる貫録のある姿で咲き誇っています。情熱といえば”赤い”バラなんて誰が言ったのでしょうか。
この香りは、情熱的な”ピンク”のバラです。可愛らしい、清楚なバラではありません。
若かりし頃、燃えるような大恋愛を経験し、今ではしっとりと落ち着いた魅力を醸し出す女性…でも、そんな彼女が人生最後の恋に落ちた瞬間の香りでしょう。
あの頃の自分とは違い、ようやくスマートに生きられるようになったのに。どうして今になって…と冷静さを保てなくなった彼女の頬の色こそ、あのバラのようなピンクに染まっているのです。
どこかクラシカルな雰囲気を醸し出すローズの香りは、母胎へ回帰したような懐かしさを感じさせ、酸いも甘いも嚙み分けた経験の重さをも感じさせます。人生における「諦め」と「決断」を重ねてきた女性から、無意識に溢れてしまう色気が見事に表現された香りです。
⑧ATTRAPE-RÊVES(アトラップレーヴ)
トップは溌剌としたジンジャーと、フルーティーなライチ。さらに、ベルガモットがヒリヒリするほどの若さを感じさせます。しばらくすると、ピオニーがフレッシュに香り立ち、ローズを圧倒するほどの大胆さを見せてくれるのです。そして、全体に深みを与えるビターなカカオが、ありきたりなフローラルに留まりそうなところを洗練された香りへと昇華させています。
さて、話は変わりますが、わたし自身の見解として、香りというのは心地よいと感じるものを自由に選べばよいと思っています。
しかし、この香りの特徴ともいえる、ローズの美しさに怯まず香り立つピオニーの大胆さや、気後れしてしまいそうなほどのフレッシュさを纏いこなせるのは10代~20代前半まで…もしくは永遠のティーンエイジャー(であるために努力をしている人)に限られるのではないでしょうか。
正直なところ、「LOUIS VUITTON」でこの価格帯のフレグランスを購入できる年齢層とミスマッチな感覚は否めません。
しかし、わたしは学生時代の懐かしい友人と会う際、この香りを纏いたくなります。それはきっと、若かりし頃を思い起こす、ノスタルジックな感覚に陥るような香りだからです。
今のわたしはどんな姿をして、どんな場所に立っているのか。忘れかけていたみずみずしい感情を呼び覚まし、相対的に自分の重ねてきた時間を実感することができる香りです。
⑨LE JOUR SE LÈVE(ルジュールスレーヴ)
「夜が明ける」その名の通り、まるで”朝日を浴びた瞬間のすがすがしさ”を体現したような香りです。
マンダリンのフレッシュさは、朝日のカラリとした湿気のない暖かさを感じさせます。そして、もぎたての果実を包み込む果皮を感じさせるような”渋み”が、寝ぼけまなこをツン、と刺激し、心地よく目覚めさせてくれるのです。
この香りは、間違いなく朝に纏うべき構成で調香されていると思います。それは、夜明けをテーマとしているということだけでなく、他のラインナップを一日のどこかでレイヤリングすることによって、さらに魅力を開花させる香りだからです。
早朝に纏ったなら、昼下がりにはクールバタンと重ねて、マンダリンと洋ナシのフルーティーなハーモニーを楽しむのも素敵でしょう。洋ナシの完熟した甘さが主張するクールバタンですが、果皮のような渋みでバランスをとることができます。
個人的には、午後からの気分転換に纏うこともオススメです。ぼんやりとしがちな日中の頭をスッキリとさせてくれるような爽やかなマンダリンと、ジャスミンの華やかな香りが気分を高揚させてくれます。ここでのレイヤリングはアトラップレーヴを選び、ピリリとしたジンジャーと若々しいベルガモットを掛け合わせて、気分をリフレッシュしましょう!
玄人向けの香りではないかも知れませんが、レイヤリング次第でかなりの可能性を秘めた香りだと思っています。すでにお気に入りの香りを見つけられた方が、あともう一本を選ぶなら候補に挙がるのではないでしょうか。
⑩COEUR BATTANT(クールバタン)
この洋ナシの甘い誘惑に打ち勝てる男性はいるのでしょうか。クールバタンは、纏う女性自身を”熟れきった果実”に変身させてしまうほど蠱惑的です。かぶりつきたくなるほど瑞々しく、まだ触れてもいないのに今にも果汁があふれ出しそうなほどジューシーな香り。
しかし、ミドル以降のグッと大人びた雰囲気には驚くことでしょう…イランイランが姿をあらわしたことで急激に色気を増し、ジャスミンの華やかな香り立ちの中に、静かに咲く水仙の繊細さ。この香りを纏った女性が醸しだすトップとミドル以降の二面性に、不意を突かれて恋に落ちてしまう男性が後を絶たないであろうことが目に見えています。
LVのラインナップの中で、個人的に最も甘さを感じる香りです。そして、その甘さは小悪魔のような憎めないあざとさをもって、強く心を揺さぶってきます。甘ったるいフルーツの一辺倒に留まらないことから、明らかに狙いを定めて「陥落」させようとしている計画的犯行です。しかし、残念ながらこの甘美な誘惑に勝てる人間はいないでしょう…
⑪HEURES D'ABSENCE(ウールダプサンス)
決して目を引くような華やかさはないけれど、なんとなくいつも目で追ってしまう人っていますよね。この香りがまさにそうなんです。
正直なところ、単独で使用するには面白みに欠けてしまうかも知れません。2020年に発売されたウールダプサンスは、それまでに発売されたLVのラインナップと比較するとインパクトは弱めだと思います。派手さはなく、むしろどこか陰を感じさせるような香り立ちです。
そう、陰を感じさせる香りとは、他のラインナップと組み合わせることにより、相手の香りの華やかさを引き出す役割を果たします。むしろ、これまでのラインナップを経たことにより、満を持して発売されたと言ってもいい香りでしょう。
湿気のある日本の気候では、クールバタンのような甘みの強い香りは、どこかベタっとして平面的な香り立ちになってしまうことがあります。さらに梅雨の時期には、ムワっとして、もはや不快にも感じられる香りになった経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか…そんなときにこそ、その香りの陰となり、”立体感”をもたせてくれます。
実は、ミモザの香りが苦手な私だったのですが(鼻の奥をキンキンと刺激されるような感じがして…)この香りによってミモザのバイプレーヤー的魅力を知ることができました。
また、レイヤリングの相手が華やかであればあるほど、その香りを素肌に馴染ませるような立ち回りをする不思議な魅力をもった1本であると思っています。
⑫ÉTOILE FILANTE(エトワールフィラント)
2021.4.1現在では、最新作にあたる香りです。
纏った瞬間、パッと閃光が走ったような衝撃を与えるオスマンサス!
わたしたちがよく知る金木犀は、秋の訪れをゆったりと知らせるような風情のある香りではないでしょうか。しかし、この香りにおける金木犀は、まるで稲妻のようなスピード感でわたしたちの鼻を吹き抜けていきます。
ダイナミックな香り立ちの中にも、マグノリアの存在があるおかげで、香り全体の上品さがそこなわれることはありません。また、ジャスミンはオスマンサスとマグノリアの橋渡し的な役割に徹しながらも、確実に華やかさを与えています。
そして、ラストまで辿りついた時、ホワイトムスクが胸に迫るような切ない余韻を残して去っていくのです。ここでようやく、わたしたちが知っている秋の金木犀に近しい何かを感じとることができます。
「金木犀」というより「オスマンサス」の香りのため、意表を突かれるかも知れませんが、同時に新鮮味をもって感じられることでしょう。
さて、ウィメンズフレグランス全12本をご紹介いたしました!
わたしの拙筆では、なかなかLOUIS VUITTONとジャック・キャヴァリエの魅力を伝えきれないのがもどかしい…
ここまでレビューを読んでくださった方にこんなことを言うのもなんですが、わたしのレビューを読んでいただくよりも、実際にお試しいただく方がその素晴らしさを直に感じられるかと思いますので、
ぜひ店舗へ足を運んでいただき、あなたの肌で体感してくださったら嬉しいです。
「LOUIS VUITTON」ウィメンズフレグランスレビュー①
今日の気分と選んだ香りがぴったり合致した時って、「本日の主役はわたしです!!!!」みたいなテンションになりませんか?
こんにちは、Luiです。
Twitterで仲良くしてくださっている皆さまはご存知かも知れませんが…
わたしは、調香師ジャック・キャヴァリエのファンなんですよね。
でも、正直にお話しすると、最初ジャック・キャヴァリエが「LOUIS VUITTON」の専属調香師になったと知った時、”敷居が高すぎて、試しに行くだけで変な汗かきそう”と思ったものです(田舎育ちにルイヴィトンはまぶしすぎる…)
しかし、実際に表参道店にいってみると、スタッフの皆さまは気さくな方たちばかり…毎度お伺いする度に、気遣いとフレンドリーのバランスが取れた素晴らしい接客に感動しております。
ルイヴィトン…え、こわい…どうしよ……と震えていた自分が、今ではサンプルを含めればラインナップをコンプリートしているという事実の方がこわいです。
さて今回は、ウィメンズフレグランス12本(2021.3.31現在)をレビューしていきたいと思います。ラインナップが多いため、複数にわたってお届けしようと考えておりますが、どの香りも胸を張ってオススメできますので、よろしければ最後までお付き合いくださいませ。
また、あくまでわたしの肌の上での所感のため、気になった方はぜひ実際に店舗へ足を運んでいただき、ご自身のお肌で試していただけたら嬉しいです。そうやって、LOUIS VUITTONのフレグランスのファンを増やしていきたいという気持ちでこの記事を執筆しております。
トラベルセットは、7.5mlのレフィルが7種。
カートリッジがマグネット式で、香りが混ざらないという画期的な仕様。デザインがとてもスマートかつラグジュアリー。
①APOGÉE(アポジェ)
トップバッターは、”誰からも愛される”香りから参りましょう。
皆さまの周囲にいる「さわやかで素敵な人」って、どんな香りがしますか?
ちょっと抽象度が高すぎる問いかけだったかも知れませんが、この香りはまさに「さわやかで素敵な人」からただよう香りなのです。
しわ一つない真っ白なシャツを着こなす、ピンと伸びた背筋。その姿はとても溌剌としており、若々しさに溢れています。それはきっと、フレッシュに香るスズランのおかげでしょう。さらにジャスミンやマグノリアといったホワイトフローラルが、雰囲気をパッと明るくするような華やかさを加えます。また、ほのかにただようミルキーさは、周囲をホッと安心させるような母性を感じさせるのです。
表参道店のフレグランスエキスパートの方は、この香りを洗濯後のリネンに吹きかけるそう…とても贅沢な使い方で憧れますよね!
この香りさえあれば、香り付き柔軟剤は必要ありません。なぜなら、この香りこそが”清潔感”そのものだからです。
②CONTRE MOI(コントロモワ)
こんなに蠱惑的なグルマンがあっていいんでしょうか?いえ、グルマンと一括りにもできないかも知れません。なぜなら、センティフォリアローズやオレンジフラワーがあまりにも華やかに香るからです。
トップから深みある香り立ちのビターなカカオ。そこに甘さは感じられません。この香りのグルマンたる甘さを担うのは、バニラです。それも、もったりとした重みのある甘さではなく、すっきりと洗練された甘さのため、いわゆる”バニラ要素たっぷり”のグルマンが苦手な方でも纏えるようなグルマンに仕上がっています。
何より、もはやフローラルに分類されてもおかしくないほど、華やかに香るローズとオレンジフラワー。そして、大胆なフローラルの中に繊細さを加えるマグノリアは、とても愛らしい香りを放ちます。
例えるなら、”花びらで彩られたダークチョコレート”でしょう。それは、最高級のカカオとバニラを贅沢に使用したラグジュアリーなひと口なのです。
③TURBULENCES(タービュランス)
タービュランスとは、乱気流のこと。ひとたび纏えば、その名の通り、チュベローズとジャスミンによる”ホワイトフローラルの竜巻”に巻き込まれてしまいます。
トップから吹き上げる真っ白な花びらの突風は、官能的なチュベローズを躍動感あふれる香り立ちに変化させ、そこに加わるジャスミンは香り全体に立体感を与える役割を果たしながら軽やかに舞うのです。
フローラルの中でも、濃厚でベタッ(もしくはムワッ)としたような香り立ちをすることの多いチュベローズが、突き抜けるようなスピード感をもって香ってくるのがとても新鮮に感じられます。
そして、この香りの「陰の立役者」といえば、レザーで間違いないでしょう。
LOUIS VUITTONといえば、モノグラムの入った美しいレザー!もはや、ラグジュアリーの代名詞にもなるほど有名ですよね。そんなLVのレザーから、実際に抽出された香りを身に纏う…それは最高の贅沢と言わざるを得ません。
レザーと掛け合わせたことによって、新たな魅力を開花させたチュベローズとジャスミン。ありきたりな”チュベローズ×ジャスミン=セクシー”というレッテルをかなぐり捨て、どこかパンキッシュにも感じられるようなスタイリッシュフローラルです。
④DANS LA PEAU(ダンラポー)
ジューシーなアプリコットの果汁が、レザーに染み込んだ香り。レザーとフルーツの素敵な出会いは、ジャスミンによって華を添えられます。
わたしの肌の上では、レザーがもっとも強く香り立ち、未だ熟しきらない(でも濃厚な甘さを秘めた)アプリコットと、いつもの大胆さを潜めてひっそりとしたジャスミンの香りが混ざり合うのです。
それにしても、なぜこうも官能的な香りなのでしょうか…
「dans」は”~の中へ”、「la peau」は”肌”をあらわします。つまり、”肌の中へ”という名が冠された香り。 その名の通り肌に馴染む香りのため、まるで自分の肌が生まれつき官能性を秘めているかのように感じられます。おそらく、わざとらしくない(いやらしさのない)甘さのアプリコットとほのかな体臭を感じさせるようなムスクが、レザーの香りを肌になじませる役割を果たしているのでしょう。
レザージャケットを着た美女がアプリコットにかぶりつく時、その甘酸っぱい汁は細い手首をつたい、ジャケットの袖口からレザーへ染み込んでいく…ダンラポーは、まさにその瞬間を切り取った香りなのかも知れません。
⑤MATIÈRE NOIRE(マティエールノワール)
ウィメンズフレグランスと括るにあまりにも惜しい。この香りは、むしろ男性が纏えば”色気の権化”と化すでしょう。
パチョリと沈香が引き立てる、清らかなホワイトフローラルの香り。そして、この香りの魅力をもっとも開花させているのは、ブラックカラントの”妖しげな甘さ”です。
真冬、この香りを纏った人とデートをすればわかります。待ち合わせで行きあった時は、”センスの良い香り”を纏った人だな、とありきたりな感想しか抱かなかったのに。夕暮れ時、ふ、と肩が触れるほどの距離に近づいたその瞬間、ブラックカラントの物言わぬ、でも何よりも雄弁に、その人のもつ妖艶さを物語るのです。
ブラックカラントの甘さは決して全面に主張しません。纏う人の体温によって香るため、パーソナルスペースに入れるほど親しい人にのみアピールされる色気…
女性なら、オールブラックファッションやスリット入りのタイトスカート、もしくはどこかにレザーを使用したファッションに合わせていただきたいです。
男性?この香りさえ纏っていれば、良いでしょう(真冬限定)
夏には、ブラックカラントが主張しすぎて、色気ではなく”暑気”が増すので避けていただきたいですね…
⑥MILLE FEUX(ミルフー)
端的に言いましょう。もし、わたしに女性のボスがいたなら、この香りを纏っていて欲しい。
ラズベリーの香りって、どこか愛嬌を感じさせますよね。美しさ、というよりは、可愛らしさや愛らしさをかもし出す香りです。でも、自分の上司に愛嬌は求めないかもしれませんね。
では、なぜ”女性のボス”の香りに推したのか。それは、レザーが「自立した女性像」を彷彿とさせるような香り立ちをしているからです。
強く深く香るようなレザーではありません。でも、その存在感は良い意味で”どっしり”としています。自分が香りの幹であるかのように、毅然と主張し、ラズベリーと対等に、かつしなやかに絡み合う。
いつもスマートに仕事をこなす上司が、休憩時間にふ、と「お疲れさま」と微笑んでくれた時、なんだかホッとするような、思わず甘えてしまいたくなるような、母性に近いものを感じませんか?
女性としての柔らかさ、しなやかさを保ちつつ、締めるべきところはしっかり締める。そんな女性って、現代女性が追い求める、究極のキャリアウーマンだと思います。
さて、全12本のうち、今回は6本をお届けいたしました!
それにしても、本当に魅力的な香りばかりで、ついつい文章が長くなってしまいますね…
正直、1本1本がどれもブランドの代表格になるような香りで、調香師 ジャック・キャヴァリエと、その才能を最大限に生かせる環境を提供し続けるLVに、足を向けて寝られませんね(グラースってどっちの方向ですか?)
次回もきっと長くなるかと思いますが、よろしければご覧くださいませ。
P.S.
コントロモワは、体温高めの人がお腹にワンプッシュすると、身も心もとろけてしまうような香りに包まれます。オススメです。
イメチェンとフレグランス
大人になればなるほど、イメチェンする勇気が出ません。
なんで学生時代って、ヘアスタイルを変えることにためらいがなかったんでしょうか。
こんにちは、Luiです。
2021/3/5、香水を愛する皆さまにこんなアンケートをさせていただきました。
最終的に73人の方にご回答いただき、予想以上の回答率に驚いております。
ご協力くださった皆さまに感謝申し上げます。
さて、そもそもなぜわたしがこのようなアンケートを考え付いたかというと…
1年以上伸ばしてきた髪を久々にバッサリ切ろうかなと迷っていた時、
「あ、でも似合う服のコーディネートが一気に変わるかも…というか、これって香水も同じことでは?」と思ったからです。
そこで、3つの選択肢を設定しました。
- イメチェンによって香水も変える
- イメチェンしても香水は変えない
- そもそもイメチェンの影響は受けない
①については、全体の約60%とおおむね予想通りでした。コスメについてつぶやく方やファッションブランドのアカウントをリツイートされている方もお見かけしていたので、ファッション感度の高さから半数以上は①を選ぶかな、と。
②については、約8%と少なめですが、「視覚」的な変化が最もイメチェンの反響が得られやすいので、「嗅覚」的な目に見えないイメチェンをあえてすることはないのかな、と考えました。
③については、わたしの予想よりもかなり多く約30%でしたが、これこそ“香水沼”にいらっしゃる方の性質がよく顕れた、最も面白い回答ではないかと思います。
以下は、③についてのわたしなりの考察です。
まず、「イメチェンの影響は受けない」という約30%の方々は、香水について下記のような考え方をしていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。
※全員がそうであるとは一切断言いたしません
「香水は自分の嗅覚(本能)に従って選ぶものであり、自分自身を満足させるものである」
いや、何を当たり前なこと言ってるんだ…?と思われた方、ちょっとだけお付き合いください…
香水沼におけるTwitterのTLを拝見していると、「自分のモチベーションやテンションを上げるためにその日の香水を選ぶ」方や「これからの季節に向けて、自分の好きなメゾンや調香師、香料や系統の香水を購入する」方がかなり多く見られます。
これって、あなたが香水を好きで、一定以上の香水に関する知識・情報を持っているからこその行動だと思いませんか?
考察対象を香水沼に属さない方へ変えて考えてみましょう。
(※あくまで予想になりますので、実際にアンケートを取ったわけではないことをご了承くださいませ)
例えば、コスメアカウントの界隈では…
いわゆる「モテ香水」というキーワードで、お決まりのあの香水やこの香水(特定のブランド名は言及しません)が、たくさん紹介されていますよね。
これって、コスメアカウントの界隈にいらっしゃる方々が
「香水とは、自分を表現(演出)するファッションの一部だ」
と捉えているからではないでしょうか。
※こちらも、当然全員がそうであるとは一切断言はいたしません
さすがに自分が苦手な香りを好んで纏ってはいないと思うので、ある程度は自分の好みで選んでいるでしょうが、一番重要視しているのは「モテること」です。
自分の魅力を最大限に引き出し、意中の相手にアプローチするための一種の手段として考えているのです。
今一度、香水沼の③「イメチェンの影響は受けない」方の考え方に立ち返ります。
「香水は自分の嗅覚(本能)に従って選ぶものであり、自分自身を満足させるものである」
コスメアカウントの界隈にいらっしゃる方は、
「香水とは、自分を表現(演出)するファッションの一部だ」
これらは、そもそも主語が異なります。
香水沼の③の方々は、“自分”が満足するために、自分の本能のままに香水を纏う。
コスメ界隈の方々は、“相手”に好かれるために、自分を演出する目的として香水を纏う。
香水沼の方々は、本当に皆さまが大変豊富な知識をお持ちです。毎日、多くの方が惜しげもなくご自身の知識や情報を開示してくださるこの状況に感動しながら勉強させていただいております。
そんな香水沼の方々のフレグランス感度の高さ、敏感さがあってこそ、③「イメチェンの影響は受けない」という選択肢が選ばれているのではないでしょうか。
これの最たる例こそ、「寝香水」でしょう。(Twitterの香水沼を覗くまで、そもそもこの言葉自体を知りませんでした…)
自分が安眠するために、自分が最も癒される香りを選ぶ…至福のひとときですよね。
最後に話が逸れてしまいましたが…
違う“沼”、それはコスメだけでなく、服飾、アニメ、音楽等のジャンルでは、それぞれ違った結果が得られるのではないかと、個人的に探求心をくすぐられる結果となりました。
これらは、あくまでわたし自身の見解・考察です。
むしろ、わたしは違うよ!こうだよ!といった意見によって、視野を広げていきたいと考えておりますので、ぜひ皆さまのご意見やご感想をお送りいただけたら幸いです。
香水って、奥が深いね。(都内在住25歳OL)
GUERLAIN『フレグランスコンサルテーション』を体験しました
フレコン、春の嵐と言われた日に行ったんですよ。
風がビュービューで、傘は裏返るし、正直行きはしんどかったのですが…
帰りのわたしはテンション高かったです。
なぜって、ビュービューの風のおかげで、フレコンで吹きかけていただいた香りが鼻腔に広がってくれましたからね…
「春の嵐最高!!!!!」みたいなテンションで歩いていた人を見かけた方、それは間違いなくわたしでした。
こんにちは、Luiです。
2021/3/21、人生初のGUERLAIN『フレグランスコンサルテーション』を体験して参りました。
昨年はコロナ禍のため、開催できなかったようですね…
しかし、今年はオンラインでのコンサルテーションを開催するとのことで、まだまだコロナ禍は続いておりますが、体験できることに…!
なお、対面式でのコンサルテーションを体験された他の方のレポを少しだけ拝読しましたが、今回はオンラインなのでもしかしたら少し簡略化されていたのかな…と思いました。
しかしながら!個人的には間違いなくGUERLAINの魅力を改めて実感できたコンサルテーションだったので、拙筆ながらレポしていきます。
コンサルテーションを体験した方にプレゼントされる「香りのパスポート」
さて、早速ですが全体の流れから…
1.個室に入り、モニターの前に案内されます。
2.スペシャリストの方が購入履歴を参照しながらアイスブレイク。この際に一番好きな香りは何か、そして今回はどんなテーマで香りを選びたいかという質問がありました。
3.手元にあるタブレットで、4つの区分の中から、好きな区分と苦手な区分を分けます。区分は大きく分かれており、フローラル・シトラス・ウッディ・オリエンタル(グルマン)でした。
4.さらに、好きだった区分から、どんな香料が好きか・苦手か。また、苦手だった区分から、どんな香料が好きか・苦手か。
※終了後、担当の方からお伺いしましたが、ここは具体的な香料まで言わなくても問題なかったそうです…さっぱりとか、重めなとか、イメージ程度の雰囲気が伝われば十分とのことでした。
5.実際に番号がふられたムエットを香っていきます。7種のうち、2種ずつ比べていくという工程を複数回繰り返していき、前に香った番号へ戻ったりしながら、好き・普通・苦手と直感的に感想を述べていきます(香りの名前は伏せられています)
6.ムエットでの感想をもとに、スペシャリストの方が香りを4つ選んでくださいます。その4つの香りを香ってみて、自分が纏ってみたいと思う香りを選択します。(わたしは2つまで絞り込みました)
7.選択した香りを腕で試します。最後に、気に入った香りのムエットを前出のリーフレットへ挟んで、プレゼントしていただきました。
今回、わたしの香りのテーマは、”バニラなどの甘めな香料は少なめで、これからの暖かい季節でも纏えるような軽やかな香り”と、スペシャリストの方へ伝えていました。普段は重めなオリエンタルやグルマンばかりの香りを選びがちなので、このフレグランスコンサルテーションで新境地を開拓したいな、と!
そんなわたしに対して、スペシャリストの方が4つの香りを選んでくださいました。
さて、香った反応は…
①うんうん、いい香りですね。さわやかで使いやすいと思います。
②あ、これすっごい好きです。いい甘さ…え、これ…え…(動揺)
③あー…ふむ、面白い香りですね。いつものわたしなら選ばない香りだと思います。
④これ、すっごいさわやか!うん、これは夏に使いたいです!
反応からして明白ですが、②と④がとても気に入った旨をお伝えしたところ、スペシャリストの方より…
「この2つの香り、なんの香りかわかりますか?(ニコニコ)」
え、わからないよ?!?!?!
わたし「え、②は…塩っぽい…え、でも自信ないです…④は…ネロリウートルノワに似てるような……や、自信はないです、はい…(自信がなさすぎる)」
ゲランの香りがお好きな方は、セレクトされた4つの香りがすべてお分かりになる方もいらっしゃるとのこと。やっぱりゲランのファンの方ってすごいな…
そんな自信なさげなわたしに、スペシャリストの方は優しく微笑みながら香りの名前を明かしてくださいました!
②アンブラン ディラン
④ネロリ ウートルノワ
おわかりいただけただろうか…
どっちも、ラールエラマティエール!!
(ネロリウートルノワが当たっててホッとしました…)
Twitterでほぼ毎日載せる「本日の香り」ツイートにおいて、ラールエラマティエール率が尋常じゃなく多いわたし。ここでもしっかりラールエラマティエールを選び抜くという、好みに対する忠実さに自分でも笑ってしまいました。
②アンブラン ディランは、イランイランとバニラという、わたしが好む香料が使われています。そりゃあ、あの反応するよね…塩っぽいという感覚は、潮風の香りだったのでしょう。
④ネロリ ウートルノワは、ゲランの中でも特徴的な香りなので、わかりやすかったのかも知れません。あの少し陰のあるさわやかさ…一筋縄ではいかないネロリ…フレッシュながらも色気を感じる香りです。
アンブラン ディランもネロリ ウートルノワも、好みドンピシャでしたが、夏まで長く使えるような香りということと、バニラを使用していない(甘さ控えめな)香りをテーマとしていたので、今回は…
ネロリ ウートルノワをお迎えいたしました!!!!やったね!
この春と夏、たくさん纏いたいと思います。
ところで話は逸れますが、わたしは欲しい香りを試した後、忘れないうちにメモする癖があります。そんなわたしがつい最近、仕事帰りにフラっとゲランのカウンターへ寄った際、もう少し暖かくなったら購入しようと3つの香りをスマホのメモ帳に残していました。
その香りは、
①アンジェリーク ノアール
②ネロリ ウートルノワ
③アンブラン ディラン
おわかりいただけただろうか…
スペシャリストの方、もしかして…エスパー?と思うほど、的確に好みをつかんでくださっていました。(スマホのメモをみたら、3/2に書き残してました…)
ちなみに、アンジェリーク ノアールは、”バニラなどの甘めな香料は少なめで~”という、わたしのリクエストがあったために外してくださったそうです(さすがにここまで当てられて、内心ちょっと震えていたことを告白します)
余談になりますが、2つに絞る前の4つの香りは、こちらでした。
①プロムナード デ ザングレ
②アンブラン ディラン
③クルーエル ガーデニア
④ネロリ ウートルノワ
4つのうち3つがラールエラマティエールだったのね…
実はラールエラマティエールがリニューアルする前に、自分の好きな香りは今のボトルですべてコレクションしておきたいと考えていましたが、唯一これはドロップでもいいかな…と考えていたのがクルーエル ガーデニアでした。
そう考えると、クルーエル ガーデニアを選ばなかったのは自分でも納得できます。
プロムナード デ ザングレについても、ほぼすべての香りがお気に入りのパトリモワンヌにおいて、唯一自分のウィッシュリストに載っていなかった香りでした。
わかりやすいな、わたしって…
そうそう、さらにエピソードを付け加えておけば…
2月にカウンターへ伺った際、いつも担当してくださっているAさんから、パトリモワンヌの「ルールドゥニュイ」を勧めていただいたのですが、2月半ばでもうすぐ冬の寒さも終わりを迎えるかもしれないタイミングだったため、この次の冬の楽しみにとっておこうと購入を見送っていました。
しかし、コンサルテーションも終盤のその時、スペシャリストの方から…
「あれ?アイリスお好きのようですし、ルールドゥニュイもお好きではなかったですか?ご購入の履歴にはなかったですけど…」
もしかして…エスパー?(2回目)
ゲラン帝国、奥が深すぎる。
P.S.
帰りにカウンターでアクア アレゴリアも試してきたんですけど、あれって一番沼が深い気がしますね。軽率に買い揃えそうな予感を察知しました。
母の香りとディオリッシモ
わたしの母は、お手洗いや化粧直しに立つ際、香りを纏って帰ってくる人だった。
当時5歳だったわたしは、この香りがとても気になっていた。
気にいる、というよりは、“気になる“だったように思う。
ある日、母にお手洗いで訊いた。
「このにおい、なに?」
「これは、クリスチャン・ディオールのディオリッシモだよ。」
「ふうん。それってなに?」
「香水。いい香りがするの。つけてみたい?」
今でも覚えている。
手首に吹きかけられた、美しいすずらんの香り。
当時はこれがすずらんの香りだなんて、わからなかったけれど。
ただ「お姫さまになったみたい」と気分が高揚したことは間違いなかった。
5歳で初めて出会った香りを、今でも追いかけ続けているような気がする。
すずらんの香水なんて、正直世の中にあふれかえっているし、もはやすずらんが似合うような女性が求められる世の中でもなくなったのかもしれない。
それでもわたしは、すずらんの香りこそ、「この世でもっとも気高い女性」の香りだと信じている。そして、いつかディオリッシモが似合う女性になれる日まで、纏うのは我慢しようと自分に決めているのだ。
フエギア「Boutique Experience」を体験しました
六本木にいる人って、パーティーピーポーか上級国民だけだと信じて育ってきたので、上京してそれなりに経つにもかかわらず、わたしにとっては今もなお、怖い街のままです。
こんにちは、Luiです。
シュールな始まり方をしてしまいましたが、心はホクホクしています。
なぜなら、
フエギアデビューしたからーーーーーー!
デビューで「Boutique Experience」って、ハードル高くない…?しかも、場所が六本木ってなに着ていけばいいの…?
まぁ、仕事帰りだったんで、いつもの仕事着でしたね…
さて、まず初めに「Boutique Experience」の流れを回想したいと思います。
1.スタッフの方によるカウンセリング
2.カウンセリングをもとに、フラスコを複数持ってきていただき、好きな香りと苦手な香りをわけていく。これを十数ターンほど。(特に最初の何ターンかは、苦手な理由・好きな理由を言語化してもらいたいとのお話がありました)
3.最後まで残った香りを腕の内側で試し、購入(もちろん強制ではなかったですよ!)
フラスコを選ぶスタッフの方…
なんと仕草の優雅なこと!
店内のスタッフの方は、全員オールブラックの服装ですが、それぞれ皆さまがネイルやヘアスタイル、ヘアカラーで思い思いの個性を演出しており、それらの個性が集まってスタイリッシュかつミステリアスな空間が広がっていました。
そして、カウンセリングの質問は以下の通りです(あくまで記憶の限りになります)
①デイリーに使用しますか?特別な日に使用しますか?
②プライベートだけで使用しますか?仕事でも使用できるものがいいですか?
③癒される香りがいいですか?テンションが上がる香りがいいですか?
④女性的な香りがいいですか?男性的な香りがいいですか?
⑤色っぽさは欲しいですか?
⑥どんな甘さが好きですか?(バニラ?フルーツ系の甘さ?お花の甘さ?)
⑦普段使用している香水はなんですか?※どんなブランドでもOK
⑧苦手な香りはなんですか?
⑨インドア派ですか?アウトドア派ですか?
⑩みんなに好かれる香りがいいですか?個性的な香りがいいですか?
このあたりだったでしょうか…
コロナ禍だったこともあり、在宅か出勤かという確認もありました。
質問に対するわたしの回答はあえて伏せますね…(割と真剣に回答したので恥ずかしいだけです)
この質問以外に、グルマン好きなわたしは、これからの暖かい季節でも纏えるバニラを使用した香りがいいとの要望を伝えました(こういうタイミングくらいバニラから離れたらいいのに…)
質問にすべて答えた後、フラスコを5つほど持ってきていただき、1ターン目が始まります。そこからは、十数ターンに及ぶ、好きな香りと苦手な香りをわけていく工程が続いていきました。
この工程では、あえて以前除外した香りを数ターン後に再度持ってきていただき、「あれ、やっぱりこれ好きかも…」とか、「この香りさっきも苦手だったな…」とか、違うタイミングで以前と同じ香りを試すことにより、好みの精度をどんどん上げていきます(香りの名前はずっと伏せられたままです)
この過程で、わたしは途中からある2つの香りをずっと残し続け、新しく持ってきていただいたフラスコをずっと除外し続けるというわかりやすい状況になりました。
つまり、その2つが自分にとって好みの香りだということ。
この2つとは…
①ヤケーンヌ
②アグア・マグノリアーナ
ん?
いや、バニラどこやねん!!!!
はい…自分でも途中から気付いていました。
なんせこの日の気温は20℃を超えており、最近ではもっとも春らしい陽気だったのです。
しかも、わたしの平熱は36.8℃~37.0℃と高め。
さすがのグルマン好きのわたしでも、不思議と無意識的に暑苦しく感じるような香りを避けていたのでしょう。
明らかにバニラやラム酒の香りがするフラスコもありましたが、同じタイミングでグリーンなどのさわやかな香りのフラスコを香ると、後者ばかり手元に残し、甘さの強い香りを除外していた記憶は確かにありました(あったんかい)
担当してくださったスタッフの方曰く、「その日の体調や気温には大いに左右されるもの」とのことですので、基本的にはグルマンが好みの人であっても、それを上回るような条件下では、好みより今の気分を選ぶのかもしれません。
最終的には、肌の上での香り方を確認します。
そして、わたしが選んだのは…
アグア・マグノリアーナ!!!!
なぜ、こちらを選んだかというと…
ヤケーンヌが草になったからです。
いや、あの…冗談抜きにわたしの腕には草原が広がっていました。田舎育ちのわたしにとって、これはこれで癒されるのですが…
普段の通勤でこれを纏うと、「この人、もしかして草刈りしてから出勤したのかな…」と勘違いされそうで…(実家の庭の草刈りを終えた父親の香りを思い出しました)
それくらいリアルな草だったのです。
さすがフエギア、おそるべし…
一方、アグア・マグノリアーナは、
わたしの肌の上では、フラスコからかなり香り立ちが変わりました。
スタッフの方曰く、「水っぽい甘さ」になる人と、「色っぽい甘さ」になる人がいるそうです。
わたしの場合は、水っぽさはまったく感じられず…むしろ香りが濃くなり、サンダルウッドが強く主張するようになりました(これを色っぽいというのかはわかりません…)
しかしながら、そもそも重めな香りを好むわたしにとって、この香りの変化はむしろとても好みだったため、迷わずこちらをチョイスしたのです。
いやはや…グルマンを愛するわたしがまさかagua(スペイン語で水)とつくものを選ぶとは…大変興味深い結果に思わずうなった1時間弱でした。
コンディション等はあったとはいえ、自分の深層心理を覗いているようで、終始ワクワクが止まらない時間を過ごすことができたと思います。
大満足です!当日、お世話になったスタッフの皆さま、ありがとうございました!
P.S.
カウンセリング終了後、どうしても気になっていたキロンボを試させていただいた結果、キロンボのPURAまで買いました。
オチはグルマンかい。