「LOUIS VUITTON」ウィメンズフレグランスレビュー①
今日の気分と選んだ香りがぴったり合致した時って、「本日の主役はわたしです!!!!」みたいなテンションになりませんか?
こんにちは、Luiです。
Twitterで仲良くしてくださっている皆さまはご存知かも知れませんが…
わたしは、調香師ジャック・キャヴァリエのファンなんですよね。
でも、正直にお話しすると、最初ジャック・キャヴァリエが「LOUIS VUITTON」の専属調香師になったと知った時、”敷居が高すぎて、試しに行くだけで変な汗かきそう”と思ったものです(田舎育ちにルイヴィトンはまぶしすぎる…)
しかし、実際に表参道店にいってみると、スタッフの皆さまは気さくな方たちばかり…毎度お伺いする度に、気遣いとフレンドリーのバランスが取れた素晴らしい接客に感動しております。
ルイヴィトン…え、こわい…どうしよ……と震えていた自分が、今ではサンプルを含めればラインナップをコンプリートしているという事実の方がこわいです。
さて今回は、ウィメンズフレグランス12本(2021.3.31現在)をレビューしていきたいと思います。ラインナップが多いため、複数にわたってお届けしようと考えておりますが、どの香りも胸を張ってオススメできますので、よろしければ最後までお付き合いくださいませ。
また、あくまでわたしの肌の上での所感のため、気になった方はぜひ実際に店舗へ足を運んでいただき、ご自身のお肌で試していただけたら嬉しいです。そうやって、LOUIS VUITTONのフレグランスのファンを増やしていきたいという気持ちでこの記事を執筆しております。
トラベルセットは、7.5mlのレフィルが7種。
カートリッジがマグネット式で、香りが混ざらないという画期的な仕様。デザインがとてもスマートかつラグジュアリー。
①APOGÉE(アポジェ)
トップバッターは、”誰からも愛される”香りから参りましょう。
皆さまの周囲にいる「さわやかで素敵な人」って、どんな香りがしますか?
ちょっと抽象度が高すぎる問いかけだったかも知れませんが、この香りはまさに「さわやかで素敵な人」からただよう香りなのです。
しわ一つない真っ白なシャツを着こなす、ピンと伸びた背筋。その姿はとても溌剌としており、若々しさに溢れています。それはきっと、フレッシュに香るスズランのおかげでしょう。さらにジャスミンやマグノリアといったホワイトフローラルが、雰囲気をパッと明るくするような華やかさを加えます。また、ほのかにただようミルキーさは、周囲をホッと安心させるような母性を感じさせるのです。
表参道店のフレグランスエキスパートの方は、この香りを洗濯後のリネンに吹きかけるそう…とても贅沢な使い方で憧れますよね!
この香りさえあれば、香り付き柔軟剤は必要ありません。なぜなら、この香りこそが”清潔感”そのものだからです。
②CONTRE MOI(コントロモワ)
こんなに蠱惑的なグルマンがあっていいんでしょうか?いえ、グルマンと一括りにもできないかも知れません。なぜなら、センティフォリアローズやオレンジフラワーがあまりにも華やかに香るからです。
トップから深みある香り立ちのビターなカカオ。そこに甘さは感じられません。この香りのグルマンたる甘さを担うのは、バニラです。それも、もったりとした重みのある甘さではなく、すっきりと洗練された甘さのため、いわゆる”バニラ要素たっぷり”のグルマンが苦手な方でも纏えるようなグルマンに仕上がっています。
何より、もはやフローラルに分類されてもおかしくないほど、華やかに香るローズとオレンジフラワー。そして、大胆なフローラルの中に繊細さを加えるマグノリアは、とても愛らしい香りを放ちます。
例えるなら、”花びらで彩られたダークチョコレート”でしょう。それは、最高級のカカオとバニラを贅沢に使用したラグジュアリーなひと口なのです。
③TURBULENCES(タービュランス)
タービュランスとは、乱気流のこと。ひとたび纏えば、その名の通り、チュベローズとジャスミンによる”ホワイトフローラルの竜巻”に巻き込まれてしまいます。
トップから吹き上げる真っ白な花びらの突風は、官能的なチュベローズを躍動感あふれる香り立ちに変化させ、そこに加わるジャスミンは香り全体に立体感を与える役割を果たしながら軽やかに舞うのです。
フローラルの中でも、濃厚でベタッ(もしくはムワッ)としたような香り立ちをすることの多いチュベローズが、突き抜けるようなスピード感をもって香ってくるのがとても新鮮に感じられます。
そして、この香りの「陰の立役者」といえば、レザーで間違いないでしょう。
LOUIS VUITTONといえば、モノグラムの入った美しいレザー!もはや、ラグジュアリーの代名詞にもなるほど有名ですよね。そんなLVのレザーから、実際に抽出された香りを身に纏う…それは最高の贅沢と言わざるを得ません。
レザーと掛け合わせたことによって、新たな魅力を開花させたチュベローズとジャスミン。ありきたりな”チュベローズ×ジャスミン=セクシー”というレッテルをかなぐり捨て、どこかパンキッシュにも感じられるようなスタイリッシュフローラルです。
④DANS LA PEAU(ダンラポー)
ジューシーなアプリコットの果汁が、レザーに染み込んだ香り。レザーとフルーツの素敵な出会いは、ジャスミンによって華を添えられます。
わたしの肌の上では、レザーがもっとも強く香り立ち、未だ熟しきらない(でも濃厚な甘さを秘めた)アプリコットと、いつもの大胆さを潜めてひっそりとしたジャスミンの香りが混ざり合うのです。
それにしても、なぜこうも官能的な香りなのでしょうか…
「dans」は”~の中へ”、「la peau」は”肌”をあらわします。つまり、”肌の中へ”という名が冠された香り。 その名の通り肌に馴染む香りのため、まるで自分の肌が生まれつき官能性を秘めているかのように感じられます。おそらく、わざとらしくない(いやらしさのない)甘さのアプリコットとほのかな体臭を感じさせるようなムスクが、レザーの香りを肌になじませる役割を果たしているのでしょう。
レザージャケットを着た美女がアプリコットにかぶりつく時、その甘酸っぱい汁は細い手首をつたい、ジャケットの袖口からレザーへ染み込んでいく…ダンラポーは、まさにその瞬間を切り取った香りなのかも知れません。
⑤MATIÈRE NOIRE(マティエールノワール)
ウィメンズフレグランスと括るにあまりにも惜しい。この香りは、むしろ男性が纏えば”色気の権化”と化すでしょう。
パチョリと沈香が引き立てる、清らかなホワイトフローラルの香り。そして、この香りの魅力をもっとも開花させているのは、ブラックカラントの”妖しげな甘さ”です。
真冬、この香りを纏った人とデートをすればわかります。待ち合わせで行きあった時は、”センスの良い香り”を纏った人だな、とありきたりな感想しか抱かなかったのに。夕暮れ時、ふ、と肩が触れるほどの距離に近づいたその瞬間、ブラックカラントの物言わぬ、でも何よりも雄弁に、その人のもつ妖艶さを物語るのです。
ブラックカラントの甘さは決して全面に主張しません。纏う人の体温によって香るため、パーソナルスペースに入れるほど親しい人にのみアピールされる色気…
女性なら、オールブラックファッションやスリット入りのタイトスカート、もしくはどこかにレザーを使用したファッションに合わせていただきたいです。
男性?この香りさえ纏っていれば、良いでしょう(真冬限定)
夏には、ブラックカラントが主張しすぎて、色気ではなく”暑気”が増すので避けていただきたいですね…
⑥MILLE FEUX(ミルフー)
端的に言いましょう。もし、わたしに女性のボスがいたなら、この香りを纏っていて欲しい。
ラズベリーの香りって、どこか愛嬌を感じさせますよね。美しさ、というよりは、可愛らしさや愛らしさをかもし出す香りです。でも、自分の上司に愛嬌は求めないかもしれませんね。
では、なぜ”女性のボス”の香りに推したのか。それは、レザーが「自立した女性像」を彷彿とさせるような香り立ちをしているからです。
強く深く香るようなレザーではありません。でも、その存在感は良い意味で”どっしり”としています。自分が香りの幹であるかのように、毅然と主張し、ラズベリーと対等に、かつしなやかに絡み合う。
いつもスマートに仕事をこなす上司が、休憩時間にふ、と「お疲れさま」と微笑んでくれた時、なんだかホッとするような、思わず甘えてしまいたくなるような、母性に近いものを感じませんか?
女性としての柔らかさ、しなやかさを保ちつつ、締めるべきところはしっかり締める。そんな女性って、現代女性が追い求める、究極のキャリアウーマンだと思います。
さて、全12本のうち、今回は6本をお届けいたしました!
それにしても、本当に魅力的な香りばかりで、ついつい文章が長くなってしまいますね…
正直、1本1本がどれもブランドの代表格になるような香りで、調香師 ジャック・キャヴァリエと、その才能を最大限に生かせる環境を提供し続けるLVに、足を向けて寝られませんね(グラースってどっちの方向ですか?)
次回もきっと長くなるかと思いますが、よろしければご覧くださいませ。
P.S.
コントロモワは、体温高めの人がお腹にワンプッシュすると、身も心もとろけてしまうような香りに包まれます。オススメです。